コレクション: 宮崎椅子製作所

木の椅子を得意とする、徳島県を代表する家具メーカーです。No.42:カイ・クリスチャンセン/デンマーク、ペーパーナイフソファ、ペペチェア:村澤一晃、などを製作。「技術」と「デザイン」の一体化を目指し、国内外のデザイナーと自社職人がともに手を動かし、お互いの意見交換をしながら、一緒に考えるワークショップ方式でのデザイン開発が特徴的です。

宮崎椅子製作所について詳しく

宮崎椅子製作所は、木のぬくもりを感じる椅子をつくる徳島県の家具メーカーです。
1969年の創業から半世紀あまり、高い技術力でオリジナルデザインの家具を開発・製造しています。

工場があるのは、徳島県鳴門市。
吉野川の流れを望むのどかな町で、地域にはレンコン畑やさつまいも畑が広がります。
静かな時間が流れるこの場所で、宮崎椅子製作所の職人たちは、日々、木と向き合いながら家具をつくっています。

始まりは、地場産業である「阿波鏡台」の製作でした。
繊細な木工技術を磨きながら、2000年からは自社ブランドとして椅子づくりをスタートしました。

以来、素材の良さや優れた技術、心を込めた丁寧な仕事にこだわり、「使う人」と「つくる人」の、喜びが通い合うものづくりを目指していています。

技術とデザインを、一体に。

宮崎椅子製作所のものづくりの根っこにあるのは、「技術」と「デザイン」をひとつにするという考え方です。
デザイナーと職人が同じ現場で手を動かし、素材や形、座り心地を確かめ合いながら何度も意見を交わす。
そうしたやりとりの積み重ねから、宮崎椅子製作所の家具は生まれています。

多品種製造、木と布、選ぶ楽しさ。

宮崎椅子製作所では、80種類を超える家具を手掛けています。その中から、当店では厳選した製品をお取り扱いさせていただいています。
素材となる木はウォールナット、ナラ、ブラックチェリーなど、7〜8種類。
どれも木目の美しさや経年変化の味わいを楽しめる、良質な木材です。
多様な木と布の組み合わせで、自分だけの一脚をつくることができるのも、宮崎椅子製作所の魅力です。

多くの素材に触れ、様々な種類の家具づくりを行う経験が、職人たちの感性をさらに磨き、新しい椅子づくりへの糧となっています。

手仕事と、精密な機械。

「この製品をつくる意味は何か」
その問いから、宮崎椅子製作所のものづくりは始まります。

鉋(かんな)やノミなどの古くからの道具と、精密な機械加工。
どちらも職人の手の延長として使いこなし、最も美しい形を追求しています。

木の特性を読み、工程を見直し、できなかったことをできるようにする。
挑戦を重ねてきた日々が、宮崎椅子製作所の技術を支えています。

目と指先でつくる、精度と品質。

丁寧に加工された木のパーツを組み上げた後、
職人は接合部をすり合わせ、研磨を重ね、蜜蝋ワックスや天然オイルで仕上げます。

一本の木には、それぞれ異なる木目や節があり、同じものはひとつとしてありません。
年月とともに色づき、艶を増す木の風合いを、ぜひ楽しんでいただければと思います。

宮崎椅子製作所では完成時だけでなく、製作の各工程で検品を行い、
目と指先で隅々まで確かめながら、思わず触れたくなる椅子を目指しています。

革と布の職人が、木の椅子を仕上げる。

裁断・縫製・張り。
椅子を完成へと導く最後の工程には、革や布の専門職人の技が欠かせません。

宮崎椅子製作所では、上質な革と布だけを厳選して使用しています。
牛革には、牛が生きてきた証であるナチュラルマークと呼ばれる傷や跡があります。
それは天然素材の証であり、同社では、全てのナチュラルマークをチェックし、基準をクリアしたものだけを製品に使用しています。

裁断後は、革や布を立体的に縫い合わせ、木部にぴたりと馴染ませる。
その繊細な作業には、長年の経験と感覚が込められています。

一脚一脚に込める、約束。

完成した椅子には、一脚ごとにシリアル番号が刻まれます。
お客さまのもとで長く使っていただけるよう、張り替えやお修理にも丁寧に対応しています。

当店では、宮崎椅子製作所と連携を取りながら、その時その時で最適な方法でお修理をしています。
お客さまに最適な一脚を提案し、「心地よく、長く」家具を使っていただくために、張り替え・部材交換・再塗装など、さまざまな方法で対応しています。

デザインパートナーとともに。

デザインと品質を両立させること。
それが、宮崎椅子製作所の製品開発の中心にあるテーマです。

国内外のデザイナーが徳島の工場を訪れ、職人と現物を前に意見を交わします。
形だけでなく、座り心地や手触り、木部の厚みまで。
納得がいくまで何度も試作を重ね、時には工法そのものを見直します。

そうして生まれるのは、技術がデザインを支え、デザインが技術を磨く循環。
この往復の中から、新しい椅子が生まれていきます。

「木とともに、時を重ねて」

宮崎椅子製作所の椅子は、完成したその瞬間から、使い手とともに時間を重ねていきます。 日々の暮らしの中で触れられ、少しずつ風合いを深めていく木の姿には、つくり手の想いが静かに息づいています。

木と人が寄り添いながら、長く、心地よく使われていくこと。
それこそが、宮崎椅子製作所が大切にしているものづくりです。