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No.42チェア|宮崎椅子製作所

No.42チェア|宮崎椅子製作所

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ブランド:宮崎椅子製作所

デザイナー:カイ・クリスチャンセン

¥91,520~¥167,640(税込)

エッジのきいたハーフアーム、流れるような美しいライン、絵になる椅子です。

納期:2~6か月程度(受注生産)

■樹種一覧

■張地一覧

■価格表

■送料表(送料別途)

通常価格 ¥91,520
通常価格 セール価格 ¥91,520
セール 売り切れ
(税込)

納期について

製品完成までに約2~3ヶ月程度お時間を頂きます。
宮崎椅子製作所では年間スケジュールでの製作となるため、ご注文のタイミングによっては、完成まで4~6ヶ月程度お時間を頂く場合がございます。
お急ぎの場合やご希望納期がございます場合は確認いたしますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

No.42について

デンマークのデザイナー、カイ・クリスチャンセンによって1956年にデザインされた「No.42チェア」。
作りの難しさから製造中止になっていたところ、宮崎椅子製作所が製造を担い、復刻製作が実現しました。
北欧のデザインと日本の木工技術が融合した名作椅子のひとつです。

流れるようなラインと、後ろ脚からアームにかけての有機的なつながりが美しく、北欧デザインを代表する一脚。

背もたれは体の動きにあわせてわずかに可動し、長時間でも快適に座れる工夫がされています。

座面には「ダイメトロール」と呼ばれる布バネを使用し、しなやかな弾力を生み出し、軽やかなフレーム構造でもしっかりとした座り心地を実現しています。

さらに、樹種や生地が自由に選べることや、椅子の高さや傾きまでもカスタムできるカスタマイズ性の高さも魅力です。

ミナペルホネンのドップ・タンバリン、チョウチョ、ライトベリーの椅子張生地やクヴァドラを張ることも可能です。

受注会/ミナペルホネン生地張りの椅子→

納品例はこちらのページから→

サイズ W535×D545×H750(SH460)AH670mm
素材 ブナ・ブラックチェリー・ナラ・ウォールナット等
生産地 徳島県


No.42チェアの座り心地

 1.背もたれについて

この椅子の魅力の一つの「可動式の背もたれ」。
といっても大きく動くわけではなく、腰をかける位置を少し変えるだけで、背の角度が自然に変わります。

深く腰かけると、背筋がすっと伸び、お食事や読書にちょうどいい姿勢を保ってくれます。


逆に少し浅く、少しだけおしりを前にして腰かけると、背がふわりと後ろに倒れて、コーヒーを片手にくつろぐ時間にぴったりです。

わずかな角度の違いでありながら、その座り心地は驚くほど変わります。
まるで椅子がその時々の過ごし方に合わせて寄り添ってくれるような、特別な心地よさです。

2.座面について

硬すぎず柔らかすぎず、腰かけると座面が「モチっと」しなやかに受け止めてくれます。
見た目には薄く軽やかな印象の座面ですが、実際に腰を下ろすと、想像以上のモチっと感です。

内部には優れた弾力と耐久性を備えた「ダイメトロール」という素材が使われており、体重をやさしく分散。
じわりと沈み込みながらも、しっかりと支えてくれます。
繊細なフレームからは想像できないほど、ゆったりとした心地よい座り心地です。

3.ハーフアーム(肘掛け)について

一見短かめに見えるハーフアームですが、平らで広い面を持ち、弓なりの形状が自然に肘を受け止めてくれます。

ハーフアームチェアのため、必ずしもアームをテーブルの下に収める必要はありませんが、お部屋の間取りや使いかたによってはテーブルの下に収めたい場合もあるかと思います。

アームの高さはオリジナルのサイズで670mm。幕板のないテーブルなら、天板下680mmの高さがあればテーブルの下に収まり、普段の生活に便利です。

※アームの高さとテーブル天板下の高さには、10mm程度の余裕(クリアランス)を見てください。

また、No.42は脚をカットして高さ調整することも多い椅子です。その際にはアームの高さも変わりますので、テーブルの高さと合わせて検討するとより快適に使えます。

4.高さについて

No.42チェアのオリジナルの座面高は46cm。北欧では標準的なサイズですが、日本では少し高めに感じられることがあります。

また、椅子はテーブルとセットで使うものなので、テーブルの高さに合わせて椅子の脚を調整することも少なくありません。
北欧規格のテーブル(高さ75cm程度)をお使いの方にはオリジナルサイズがちょうど良く、日本で多い70〜72cm程度の高さのテーブルの場合は、脚をカットして合わせることがあります。


(左:前脚のみ20mmカット)(右:カットなし)

よく行う調整は、「前脚だけを20mm」カットするパターンです。
また、身長が155cm未満の方は「前脚30mm、後脚10mm」カットを選んでいただくことが多いです。
前を多めに切ることで、座面が少し前傾になり、高さと角度が同時に整います。もちろん、前後均等にカットするなど細かいカスタマイズが可能です。

こうした微調整で、ご自身の体格や暮らしのスタイルにぴったりフィットする椅子に仕上げることができます。
もちろん、カットせずオリジナルのまま愛用されている方もたくさんいらっしゃいます。

詳しくは、こちらの「コラム」をご参照ください。

高さやカットについてなど気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

No.42チェアの構造|職人視点

家具職人がいる家具店だからこその視点で、No.42チェアの構造的な魅力を少しご紹介したいと思います。

※家具製作の技法名は地域性があり、呼び方は師事した職人や地域によって異なる場合があります。

1.「持ち出し」と「面腰」、「さすり仕上げ」

No.42のアームの加工についてカイ・クリスチャンセンのデザインにたびたび登場する「持ち出し」。
強度が必要な接合部をぐっと大きくし、それ以外の部分を削り取ることで、繊細なラインを生み出す構造です。ペーパーナイフソファや4110チェアにも見られるカイさんらしいデザイン手法です。(※大きな木材が必要となる技法です)

ただ、No.42の「持ち出し」は少し特別です。単純な持ち出しではなく、「面腰(めんごし)」の要素を組み合わせたような複雑な構造になっています。面腰とは、接合部を一段低く切り取って接着することで、複雑な面取りを可能にする加工法です。
そして、仕上げには角や段差をなくして接合部を一体化させる「さすり仕上げ」が立体的に3次元で施されています。
No.42の加工について

見た目には軽やかで流れるようなフォルムを実現するために、複雑な加工が緻密に組み合わさっています。
この独特の構造が、かつてNo.42が一度廃番になった理由のひとつではないか…と、思ってしまうほど。見た目以上に、加工・組み立てともに高い技術を要する椅子です。

2.後ろ脚を内側に絞る

No.42の脚部について後ろ脚は内側に絞られた、「逆ハの字」になっています。この形にすることで、プロポーションが美しくなり、同時に、「足が引っ掛かりにくく」なります。
また、アーム部分の横幅が広がるために、ゆったりとした座り心地のもとになっています。

ただし、内側に絞りすぎると安定性を失いますが、No.42では、絶妙な角度で安定感と美しさを両立しています。

後ろ脚に対して、前脚は少し外側へ広がる「ハの字」です。前後で脚の角度が異なるため、普通に組むと座面を支える側の幕板(がわのまくいた)がおかしくなってしまいます。

そこでNo.42では側幕板を削り込み、板そのものをねじるように成形して組み立てています。木という素材の性質と向き合いながら、美しいラインと安定した構造を両立させています。

見た目にはすっきりとした美しいラインですが、その裏には木が許す限界まで攻めた設計と、それを可能にする技術が詰まっています。まさに、宮崎椅子製作所の目指す「技術」と「デザイン」の一体化がみられる名作椅子です。


宮崎椅子製作所について

宮崎椅子製作所は、木のぬくもりを感じる椅子をつくる徳島県の家具メーカーです。
1969年の創業から半世紀あまり、高い技術力でオリジナルデザインの家具を開発・製造しています。

工場があるのは、徳島県鳴門市。
吉野川の流れを望むのどかな町で、地域にはレンコン畑やさつまいも畑が広がります。
静かな時間が流れるこの場所で、宮崎椅子製作所の職人たちは、日々、木と向き合いながら家具をつくっています。

始まりは、地場産業である「阿波鏡台」の製作でした。
繊細な木工技術を磨きながら、2000年からは自社ブランドとして椅子づくりをスタートしました。

以来、素材の良さや優れた技術、心を込めた丁寧な仕事にこだわり、「使う人」と「つくる人」の、喜びが通い合うものづくりを目指していています。

技術とデザインを、一体に。

宮崎椅子製作所のものづくりの根っこにあるのは、「技術」と「デザイン」をひとつにするという考え方です。
デザイナーと職人が同じ現場で手を動かし、素材や形、座り心地を確かめ合いながら何度も意見を交わす。
そうしたやりとりの積み重ねから、宮崎椅子製作所の家具は生まれています。

多品種製造、木と布、選ぶ楽しさ。

宮崎椅子製作所では、80種類を超える家具を手掛けています。その中から、当店では厳選した製品をお取り扱いさせていただいています。
素材となる木はウォールナット、ナラ、ブラックチェリーなど、7〜8種類。
どれも木目の美しさや経年変化の味わいを楽しめる、良質な木材です。
多様な木と布の組み合わせで、自分だけの一脚をつくることができるのも、宮崎椅子製作所の魅力です。

多くの素材に触れ、様々な種類の家具づくりを行う経験が、職人たちの感性をさらに磨き、新しい椅子づくりへの糧となっています。

手仕事と、精密な機械。

「この製品をつくる意味は何か」
その問いから、宮崎椅子製作所のものづくりは始まります。

鉋(かんな)やノミなどの古くからの道具と、精密な機械加工。
どちらも職人の手の延長として使いこなし、最も美しい形を追求しています。

木の特性を読み、工程を見直し、できなかったことをできるようにする。
挑戦を重ねてきた日々が、宮崎椅子製作所の技術を支えています。

目と指先でつくる、精度と品質。

丁寧に加工された木のパーツを組み上げた後、
職人は接合部をすり合わせ、研磨を重ね、蜜蝋ワックスや天然オイルで仕上げます。

一本の木には、それぞれ異なる木目や節があり、同じものはひとつとしてありません。
年月とともに色づき、艶を増す木の風合いを、ぜひ楽しんでいただければと思います。

宮崎椅子製作所では完成時だけでなく、製作の各工程で検品を行い、
目と指先で隅々まで確かめながら、思わず触れたくなる椅子を目指しています。

革と布の職人が、木の椅子を仕上げる。

裁断・縫製・張り。
椅子を完成へと導く最後の工程には、革や布の専門職人の技が欠かせません。

宮崎椅子製作所では、上質な革と布だけを厳選して使用しています。
牛革には、牛が生きてきた証であるナチュラルマークと呼ばれる傷や跡があります。
それは天然素材の証であり、同社では、全てのナチュラルマークをチェックし、基準をクリアしたものだけを製品に使用しています。

裁断後は、革や布を立体的に縫い合わせ、木部にぴたりと馴染ませる。
その繊細な作業には、長年の経験と感覚が込められています。

一脚一脚に込める、約束。

完成した椅子には、一脚ごとにシリアル番号が刻まれます。
お客さまのもとで長く使っていただけるよう、張り替えやお修理にも丁寧に対応しています。

当店では、宮崎椅子製作所と連携を取りながら、その時その時で最適な方法でお修理をしています。
お客さまに最適な一脚を提案し、「心地よく、長く」家具を使っていただくために、張り替え・部材交換・再塗装など、さまざまな方法で対応しています。

デザインパートナーとともに。

デザインと品質を両立させること。
それが、宮崎椅子製作所の製品開発の中心にあるテーマです。

国内外のデザイナーが徳島の工場を訪れ、職人と現物を前に意見を交わします。
形だけでなく、座り心地や手触り、木部の厚みまで。
納得がいくまで何度も試作を重ね、時には工法そのものを見直します。

そうして生まれるのは、技術がデザインを支え、デザインが技術を磨く循環。
この往復の中から、新しい椅子が生まれていきます。

「木とともに、時を重ねて」

宮崎椅子製作所の椅子は、完成したその瞬間から、使い手とともに時間を重ねていきます。 日々の暮らしの中で触れられ、少しずつ風合いを深めていく木の姿には、つくり手の想いが静かに息づいています。

木と人が寄り添いながら、長く、心地よく使われていくこと。
それこそが、宮崎椅子製作所が大切にしているものづくりです。


カイ・クリスチャンセンについて

1.プロフィール

1929年:デンマーク生まれ。
1955年:デンマーク王立芸術アカデミーを卒業。北欧デザインの父とも称されるコーア・クリントに師事し、木工や家具デザインを学び、自身の設計事務所を設立しました。

1950-70年代には、デンマーク家具工業展示会やケルン国際家具見本市など、数々の展示会に出展。
・1956-65年、Danish Furniture Industries(デンマーク家具工業展示会)に出品、Association of Danish Furniture Industries(デンマーク家具工業組合展示会)に家具を提供。
・1966-70年、Scandinavian Furniture Fairの立ち上げに参加。 
・1965-75年、International Furniture Fair出展(ドイツ・ケルン)。

オーストリア、パリ、ロンドンほか、数多くの都市にて個展を開催しています。

2.宮崎椅子製作所との関係

2008年より、宮崎椅子製作所にてNo.42、Paper Knifeシリーズの復刻生産が始まります。そこから、カイ・クリスチャンセンと宮崎椅子製作所の協働の歴史が始まりました。

2010年には製品チェックのために宮崎椅子製作所の工場を訪れ、以来、何度も徳島の工場を訪れ、職人たちと直接対話しながら、宮崎椅子製作所とともに、改良や新しい提案を重ねています。

2017年、ミラノサローネで宮崎椅子製作所のブースを訪れた記者がカイさんに出会い、その縁から書籍が刊行されるなど、両者の関係は単なる製作の枠を超えて、深い信頼と敬意の中で育まれています。

3.ものづくりへのこだわり

カイ・クリスチャンセンさんは、常に「現場」に立つデザイナーです。製造会社の工房を歩き回り技術と機械を研究し、何ができるかを自ら確かめます。

そして、何よりも大切にするのは職人との対話。
この姿勢は、宮崎椅子製作所のものづくりの哲学と見事に重なります。

ほとんどの家具デザイナーは家具職人に試作品を作ってもらいますが、彼は自身で試作します。
時には、自身で削り出したアームの原寸見本や、椅子を手荷物として飛行機に乗せて、徳島まで届けたこともあるそうです。

また、彼が目指すのは一点ものの芸術作品ではなく、使い手、作り手の双方に寄り添う、美しく、良質で、誠実な家具。

2018年にはデザイン上で大切にしていることとして、次のように語っています。

「Positive look, Useful, Ergonomically, Economical, Ecological」(見た目の美しさ、使いやすさ、人間工学に基づいていること、経済的で、環境に配慮していること)

その言葉通り、カイ・クリスチャンセンさんの家具は、人々の暮らしに寄り添い続けています。

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